ある日のできごと…

 

 

子供と遊んでいると、
ふと視界に入ってきたものがあった。

なんだかこっちを警戒しているような感じで
抜き足、差し足、忍び足…
って感じだった…。

なんだろう?
と見てみると、すずめの子だった。

飛べない様子のヒナだった。

近くでは親鳥が
チュンチュンしきりに鳴いていて、
「気づかれないように、そっと、早く逃げるんだよぅぅ…!」
と言っているかのような…。

ヒナもそれに合わせて、
かなりこちらの様子を伺いながら
ゆっくり離れて行こうとしていたけど…

 

ヒナは緊張感に耐えられなかったのか、
こちらの視線に感づいたのかはわからないけど
ゆっくりと振り返ってしまったのである。

目が合ったとたんにヒナは固まってしまった…。

 

しばらく沈黙が続き…
なんと!

ヒナは“しらんぷり”を決め込んで、
ゆっくりと顔をもどし、
ゆっくりと進み始めたのである。

 

そして…

こともあろうに、
大通りの方へ行ってしまった…。

おいらはしばらくその場にたたずんで、
どうしたものか考えた。

だって、このままでは確実に車に轢かれてしまうのだ。

とりあえず、様子を見てみようと通りまで進み、
見てみると…

近くに来ていた親鳥は、すぐに遠ざかり、

ヒナは再び固まってしまった…。
「・・・・・・なんで来るんだよぅ・・・・・!(ヒナ)」

 

しばらくしてから、再び動き出したけど、
もう大通り沿いではヤバすぎるってことで、
捕まえた。

すぐに暴れるのをやめて、
「おいらはかわいいんだぞ」
光線で攻めてきた。

口をあけて、
「ピヨ…。ピヨ…。」
目をキラ・キラ☆!
って感じで!

実際、かわいかったし。笑

 

ただ、ひとつだけ心配があった。
嫁さんに持っていたヒナを見せると

「人の匂いが付くと、親鳥が面倒見なくなるって聞いたことあるよ…」。

 

なるべく危なくないいところで離してやった。

手を開いて、降ろそうとすると、
本能的に下に行かないように羽ばたくんだよね。
なんだかなついたような感じで
これまたかわいくってさ〜!

しばらく手のひらの上にいたんだけど、
なんとか無事に降りた。

周囲を見ると、親鳥もいるみたいだったので
遠目に見ながら様子を見ていた。

大丈夫そうだったので、
家族みんなで買物に行った。

 

買物から帰ってきて、子供たちが外で遊び始めた。

しばらくすると、
「お父さん、お父さん、鳥が車に轢かれてるっ!!」
「え〜っ!マジでっ!!!」
ダッシュで見に行くと…

さっきのヒナだった…。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

なんとも悲しい気分だった。

 

 

翌日…。

ともだちがツバメのヒナが死んでるという…。
「なんで連日なんだぁぁぁぁ…!」

行ってみると、巣の下で死んでいた…。

落ち込んで見ていると、
なんだか黒いものが落ちている…。


よく見てみると…。

ツバメのヒナだ!

「こいつも落ちたのか?」

 どうしようか一瞬悩んだけど、
 昨日の体験があったので、
 巣に戻すことに決めた。

 

巣を見てみると、ヒナが1羽、親鳥が1羽。

落ちていたヒナを巣に戻そうとすると、
親鳥はとりあえず巣から離れた。

「人の匂いがつくと…」
という話もあったので、戻した後、
しばらくしてから巣を見に行ったら、
親鳥はまだ戻っていない…。

「大丈夫なのかなぁ…」
「やっぱり巣に戻さない方がよかったのかなぁ…」

 そんなことを思いながら、巣を後にした…。

 

翌日、巣を見てみると、
親鳥はきちんと戻って来ていた!

「よかったぁ〜!」

 

もう一つ不思議なことが…。

 

戻してやったツバメのヒナ。
ツバメが人の顔を覚えるかは知らないけど、
巣の下に行くと、顔を引っ込めるどころか、
逆に顔を出して、こっちを見てくるような感じだ。


もしかしたら、気のせいかも知れないんだけどね。

なんだか余計にかわいくなっちゃうよね〜!

 

ただ、色々調べてみたら、
ヒナは巣から落ちることは滅多にないんだそうだ。
ほとんどの場合、自ら羽ばたこうとして、
実際に飛べなくて下にいるという。
だから、戻さない方がいいという話の方が有力らしい。

 

今回おいらがやった行動が
いいのかどうかはわからない。
でも、前日に味わった嫌な思いは
やっぱりイヤだから…。
それが自然淘汰と言えばそこまでだけど…。

学生時代は“答え”があったからわかりやすかったけど、
“生きる”ということには“答え”はないと思う。
“答え”は作り出すものではないかと最近は考えてる。

ツバメのヒナが無事に巣立つことが出来れば、
今回のひとつの“答え”となるだろう。
でも、その後、渡り鳥としての力が足りなくて
 命果てるかもしれない…。
考えたら切りはないよね。


でも…。


少しでも前向きに進めるようであれば、
力を貸してあげたい。
もちろん、
自分自身のためにも頑張りたい。

さあ!

巣立ちは近いぞっ!!

 みんながんばろうっ!!!

 

 

 

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